2012年8月6日月曜日

禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本_枡野俊明


禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本.禅僧である枡野俊明の著書.分かりやすく書いてあるので学生などに参考になると思います.以下備忘録

三業を整える.三業とは身業(所作を正しくする),口業(愛情のある親切な言葉を使う),意業のこと(偏見や先入観を排し,ひとつのことに囚われることなく,どんなときも柔軟な心を保つこと.

美しい「所作」は簡素の中にある.作為から離れ,動きの無駄を省いていくと,ひとつひとつの動きが丁寧になっていく.

「姿勢」と「呼吸」と「心」は密接に関係.坐禅は調身,調息,調心で完成.

美しさの真髄に触れなければ,それを自分のものにすることはできない.

丹田はへその下二寸五分にある.そこに意識を集中し,まず良い呼吸は「吐ききる」こと.

「脚下照顧」:自分の足元をしっかり見ること.

「叉手」:親指を中に入れて左手を握り,右手でそれを包むようにする.手は心のありようを示すので,一定の場所において動かさないこと.

「喫茶喫飯」:茶を飲むときは,そのことになりきり,食事のときは,そのことになりきること.見栄や綺麗さにこだわるのではなく,ひたすら今自分がしていることに打ち込む.

他人を見て「いいな」「素敵だな」と思ったことは10日続ける.

「愛語は愛心よりおこる,愛心は慈心を種とせり.愛語よく廻天の力あることを学すべしなり」(正法眼蔵)一度口に出した言葉は決して元に戻らない.

手を合わせる:右手は相手の心,左手は自分の心.相手と心を一つとすること.毎朝自分がここにいることの幸せを先祖様と心を一つにして感謝する.

畳のへりを踏まない

ゴミは正しく捨てる

「汚れたものはその日のうちに」:「片付け」は次の行動のための準備である.

美しい食べ方:箸や器を大切にする.

朝5分でいいので掃除をする:掃除をしている間は拭くこと,磨くこと,掃き清めることに専念して何も考えない.

今日のことは眠る3時間前までに済ます:どんなことに対しても必ず「けじめ」をつける.空間的な境界,時間的な境界.今日もいい一日だったと思い,一日を終える.

眠る前は必ずおだやかにすごす.

同じ時間に眠る.

身だしなみでは着るものと心が調和しているか.

身につけるものは長く着られるものを選ぶ.

身だしなみの基本は清潔感.

「放下着」(ほうげじゃく):なにもかも捨ててしまえ.過去のことを悔まず,将来を憂いない.

あいさつは相手の目を見て言葉をかけたあとに会釈.

「一切衆生,悉有仏性」:この世に存在するあらゆるものは,仏性という仏様の命が宿っている.どんな立場の人にも経緯をもって話す.

「衣食たりて礼節を知る」:生活にある程度の余裕ができて,はじめて礼儀や節度をわきまえることができる.
感謝は感じたときにすぐ伝える.気遣い無用と言われるのはタイミングが悪いから.

もてなし:あらゆる時間,空間のすべてに相手のための心を尽くす.以心伝心.

旬の料理:名残の素材を一割五分,旬の素材を七割,走りの素材を一割五分.「一期一会」の心遣い.

いつも綺麗に掃除が行き届いているところは不思議といつまでも汚れない(ゴミを捨てられない).

月を愛でる.月に合わせて生活する.ついたちは「月立ち」「朔月」の意味.

少し高くても長く使えるものを選ぶ.

再利用とは「見立て」をし,別の命を吹き込むこと.「見立て」ということを意識すると,ものとの関わり方が変わる.

三年間一度も使っていないものは捨てる.

静けさを生み出しているのは余白.