2011年12月26日月曜日

持続可能な社会を担う人の育成

環境教育の基本的概念は1975年のベオグラード宣言,1997年のトリビシ宣言で示されている.

(1)関心:社会集団と個々人が,環境全体及び環境問題に対する感受性や関心を獲得することを助ける.
(2)知識:社会集団と個々人が,環境およびそれに伴う問題の中でさまざまな経験を得ること,そして環境及びそれにともなう問題について基礎的な知識を獲得することを助ける.
(3)態度:社会集団と個々人が,環境の改善や保護に積極的に参加する動機,環境への感性,価値観を獲得することを助ける.
(4)技能:社会集団と個々人が,環境問題を認識したり,解決する技能を獲得することを助ける.
(5)参加:環境問題の解決に向けたあらゆる活動に積極的に関与できる機会を,社会集団と個々人に提供する.

なお,ベオグラード宣言では,上の(1)~(5)に「評価能力」を加えた6項目を環境教育,環境学習の目標としているが,トリビシ宣言では,「評価能力」は(4)の「技能」に含まれている.

2011年12月20日火曜日

原発反対の論理

私は原発に反対である.3.11が起きてその立場をより強くした.だがそれには誰にもわかり易い論理が必要だと同時に思う.感情論では説得力がないことは中西準子さんが書かれていた通り.常に不完全だが少しずつ書き進めていこう.

日本に原発を作ることの危険性
・日本は地震多発国である.想像を絶する地震や津波が再び原発の立地で起こりうる.
・日本には使用済燃料の最終処分場がない.原発の格納容器の外に使用済燃料が保管されていることは極めて高リスクである.


ガバナンスの問題
・日本には原発の安全性をを監視する中立的機関が存在しない.
・経済産業省の官僚は電力会社に天下りしている. 
・現在まで100年程度の過去の津波の教訓も世代を超えて継承できていない.これからそれを継承できる保障はあるのだろうか.
・同様に数万年の間放射線廃棄物安全に保管できるような知識の継承の経験を人類は持たない.
・原発事故に対する政府や電力会社の保障が十分になりえないことは今回の対応で明らかになった.

エネルギー効率の問題
・原発はそのエネルギーの三分の二を排熱として無駄に環境に放出している.


立地の問題
・原発は電力の供給地と消費地が一致しない.その原因は突き詰めると危険性に尽きる.供給地と消費地が一致しない限り,差別の構造は回避できない.


政府の問題
・原発事故が起きた時,適正なリーダーシップをとることのできる政治家が日本にはいない.

有機農業の問題点

N先生に駅で出会ったので有機農業についての最近の状況を聞いてみた.答えはちょっとさびしいというか問題の多いもの.有機農業関係者は

 ・未だに運動主体.
 ・技術の確立(標準化)が全く進んでいない. 
 ・不勉強な人,無知な人が多くを占める.
 ・上記からまともな団体が育っておらず,公的支援をけん引できない.
 
自分の商売としてはそれでもいいかも知れないが,日本の農業の質を底上げするという意味において,有機農業のガイドラインや技術の標準化は極めて重要な課題だ.しかしそれに関わる人の中での合意形成は極めて困難でバベルの塔状態なのだろう.
N先生のさらに含蓄あるお話

 ・農業・農村の活性化を阻んでいるのは農業委員会である.

農業委員が既得権益化していて,農地の流動化を阻んでいる.なるほど.

 ・農地解放で耕地を得た小農民は第二種兼業化しているのに,メインの収入がそこそこあるので,農地を手放さない.都会に出た世代も資産価値増加の幻想から土地や家屋を飼い殺しにしている.

まったくその通りざんす.

 ・田舎に人がいないのは,入る場所ができないため.歳をとった人間が田舎に帰っても役に立たない.老人には都会の方が便利である.

こいつもなるほどです.N先生ありがとう.