2010年4月26日月曜日

生き方:稲盛和夫

もうこの本を読んだのはしばらく前のことになるが,ゼミの学生のオリエンテーションに引用するにあたり,再度読んだ.人間に一時の成功はあるが,成功を続け,人生の終わりまでの周りの尊敬を集める人は非常に少ない.稲盛さんはこの本を書いた時点ではまさかJALの再生を請け負うことになるとは夢にも思わなかっただろう.「人間は何のために生きるのか-それは魂を磨くためである」力強い言葉である.以下備忘録

人間は何のために生きるのか
 それは心を高めること,魂を磨くこと.

人生すべて無常であるが,たった一つ滅びないもの,それは魂である.

「試練」を「機会」として捉えられる人,そういう人こそ限られた人生をほんとうに自分のものとして生きていける.

「才子,才に倒れる」.恵まれた才能を持っていてもそれを生かす指針を持たないと失敗の道を歩む.その指針とは哲学.

人格=性格+哲学
 生まれながらに持っている性格とその後身につけていく哲学によって人格は成り立っている.

必要な哲学とは「人間として正しいかどうか」

単純な規範
 嘘をついてはいけない
 人に迷惑をかけてはいけない
 正直であれ.
 欲張ってはならない.
 自分のことばかりを考えてはならない.

 これを体現すること.

人生の真理は働くことで体得できる.
 人格を練り,魂を磨くのに特別な手段は要らない.一生懸命働くこと.目前の仕事にわき目も振らずに集中すること.そのこと自体が修行.世の「名人」と言われる人たちはみなそのような道をたどっている.

 人生・仕事の結果=考え方x熱意x能力

  能力は多分に先天的で熱意は後天的なもの.考え方はプラスもあればマイ  ナスもある.

「思念が業をつくる」
 人生は心に描いたとおりになる
 インスピレーションを得るためには燃えるような情熱を傾け,真摯に努力し ていくしかない.

思い描いたものだけが手に入るという法則
 事をなそうと思ったら,まずこうありたい,こうあるべきと思うこと.身を 焦がすように,誰よりも強く,そう願うこと.

強烈に思い続けることが大事
 願望を成就につなげるには,並みに思ったのではだめ.

現実になる姿が「カラー」で見えているか?
 実現へのプロセスを頭の中で真剣に,こうしてああしてと幾度も考え,練り直してみる.やがた最初は夢でしかなかったものが,しだいに現実に近づく.白黒で見えているのは不十分で,カラーで見えるようになる必要がある.

すみずみまでイメージできれば実現できる
 あえて合格ラインを高く設定し,思いと現実がぴったりと重なりあうまで,今一歩突き詰めて考えてみる.

細心の計画と準備なくして成功はありえない
 新しいことに取り組むとき,構想そのものは大胆すぎるぐらいの「楽観」に基づいて築く.ただし構想を具体的に計画に移す時は打って変わって悲観論に根差し,あらゆるリスクを想定し,慎重かつ細心の注意を払って厳密にプランを練る.計画をいざ実行に移す段になったら再び「楽観」に根差して行う.

才氏は往々にして今日をおろそかにする傾向
 なまじ先が見えるので今日一日をじっくり生きることを嫌う.

有意注意
 
原理原則はシンプルがいい

世の風潮に惑わされず,原理原則を死守できるか?
 二つの道があるとき,おのれの利益を離れ,たとえそれが困難に満ちたイバラの道でも「正しい道」を選ぶ.これは長期的に決して損にはならない.

知っているだけではだめ,貫いてこそ意味がある.

現場で汗をかかないと何も身に付かない.
 知識に経験が加わってはじめてできるようになる.

外国との交渉は常識よりリーズナブル

心を磨くために必要な6つの精進
 1.だれにも負けない努力をする
 2.謙虚にして驕らず
 3.反省ある日々を送る
 4.生きていることに感謝する.
 5.善行,利他行に励む.
 6.感性的な悩みをしない

欲望,愚痴,怒りの3毒を慎む

他を利するところにビジネスがある
利他に徹すれば物事を見る視野が広がる

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