勝間和代さんの本で最初に買った本.これも2年ほど昔になるだろうか.ゼミの学生に知的生産者になるにはどうしたらいいのかを伝えるために非常に参考になる本である.Hoisticに物事を考えているという意味において勝間さんには学ぶところが多い.7つのフレームワークにおいて知的体力と偶然力を挙げているところがHolisticであるゆえんである.40ぐらいになると「身に染みて」わかるのだが,果たして20代の若者にどれだけ伝わったのだろうか?
ビジネス思考の基本
限定的な情報を効率よく集めて,うまく組み合わせ
一定の時間までに次の行動ににつながる解を導いていく.
伸びる人の特徴
意思決定の内容の精度はいまいちだが,とにかく行動,決断が早い.
間違った仮説でも仮説がないよりまし.
鮮度はいいけれども確度が多少悪い判断の方が,遅くて正確な判断よりよほ ど重要であるから,限られた情報の中でどんどん意思決定をする必要がある.
ただしこれらは修正可能であることが前提条件である.
思考の6つの段階
知識,理解,応用,分析,統合,評価
フレームワーク
現実を観察する方法を構成する仮定,概念,価値,慣行の集まり
論理思考力
一見ランダムに見えるような事象,関係性が明確でない事象であっても,その事象を支配する何らかの法則や関係性を導き,その関係性の中で,その場ではまだ明らかになっていない事象や将来の不確定事項について,高い確率で起こりうる事象を推察する方法.
Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive
ピラミッドストラクチャで論理展開
すべての思考を仮説からスタートさせる
水平思考力
直観や想像,新しいものの組み合わせなどから解の仮説をイメージする方法.ロジカルシンキングが絞り込む思考法だとすれば,ラテラルシンキングは広げる思考法.
1.自分が無意識に使ってしまっている常識を疑う.
2.ものごとに対する新しい見方を積極的に導入する.
3.一見別々のものを,積極的に組み合わせてみる.
視覚化力
何かの物ごとや概念を画像化して目でわかりやすくする.
・画像のパワーを使う
・デザインの力を身につける
・画像と文字を組み合わせる.
デザインとはその受け手に,自分に何をアフォードしてくれるものかを指し示すのに用いられる.
文字のよいところは,複数の人がより少ないブレで,共通認識を持てること.
画像と文字の組み合わせにより体験的に伝わる.
・フォトリーディングとマインドマップをマスター
・イメージ・ストリーミングを効果的に行う
・イラスト・図表を常に意識して使うようにする.
・睡眠を十分とり,夢を活用する.
イメージストリーミングとは,頭の中にいろいろな画像を思い浮かべながら新しいことを考えていく訓練.映像を言葉で説明する訓練で活性化する.
言葉のレベルではなく,「身に染みて」わかってもらうためにはイラストや図表を用いたコミュニケーションが大切
数字力
情報を絞りに絞ってもっともシンプルにしたのが数字.
数字は正確な情報共有のためのもの
数字を組み合わせる力は創造力につながる
・数字の意味を知る.
・数字に分解する
・統計を読む
数字の一番の役割は感性と理性をつなぐこと.
数字は具体性を持ち,信頼性を持つがゆえに,逆に我々の直観に語りかけ る.
数字は絶対値というより相対値で測るためのコミュニケーションツール.
測定し管理できる塊まで分解する.
測定できないものは管理できない.
(時間管理)
物事には平均だけでなく分散がある.
「相関」のあるものには原因がある.
統計は分からないものを分かるようにするというより,数字を使ってものをかんがえるときに,その背景にあるものを知るためのヒントを与えてくれる.
言語力
言葉は非常に曖昧なもの.
曖昧であることを認識することなく用いると,ズレが生じる.
丁寧に話す,わかりやすく話す,気をつけて話す.
言葉というのは他人の体験を追体験するためにある.
言葉を伝えるには相手の感情を刺激することが大事.
・なるべく多くの知識・説明を知る
・言葉におとす習慣をつける
・比喩を意識する
言葉に落とす訓練により,言葉の財産が積み重なってくる.
相手の無意識層の中にある過去の経験値とコミュニケート.
知的体力
身体と頭の関係を理解する
健全な精神が健全な発想を生む
食べ物と知力の関係を理解する
思考は五感全体,身体全体で行われている.
心底納得して,身体全体でそれは正しいと理解したうえでないと,身体は動 かない.
アルコール,ニコチン,カフェイン,甘いもの
常用すると,それがないと思考ができないようになる.
妬む・怒る・愚痴るを追放する
偶然力
Serendipity 偶然の中でチャンスを見つける力
好奇心を発揮し,持続性を持ち,楽観的で柔軟なこと.
偶然のチャンスを生かす
与えられた情報の中から繋がりを見つける
無理に恰好をつけない
自分でまったく不得意だと思っていた分野,全然関係ない分野にアサインされると,自分が得意分野だと思っていたところとのつながりを見いだし,新しい能力を発揮する.
偶然のチャンスとは十分に準備をした中ではじめて出てきて,そこで偶然に「ああこういうことなのか」と答えが向こうからやってくる.
ひらめきは長期の記憶に対しての短期記憶や外部からの刺激によって起きるもの.
失敗や批判を素直にチャンスとして次回に生かすこと.
・よいチャンクを集める
・つねに観察し続ける
・なるべく魅力的な人々に出会う,
2010年4月26日月曜日
生き方:稲盛和夫
もうこの本を読んだのはしばらく前のことになるが,ゼミの学生のオリエンテーションに引用するにあたり,再度読んだ.人間に一時の成功はあるが,成功を続け,人生の終わりまでの周りの尊敬を集める人は非常に少ない.稲盛さんはこの本を書いた時点ではまさかJALの再生を請け負うことになるとは夢にも思わなかっただろう.「人間は何のために生きるのか-それは魂を磨くためである」力強い言葉である.以下備忘録
人間は何のために生きるのか
それは心を高めること,魂を磨くこと.
人生すべて無常であるが,たった一つ滅びないもの,それは魂である.
「試練」を「機会」として捉えられる人,そういう人こそ限られた人生をほんとうに自分のものとして生きていける.
「才子,才に倒れる」.恵まれた才能を持っていてもそれを生かす指針を持たないと失敗の道を歩む.その指針とは哲学.
人格=性格+哲学
生まれながらに持っている性格とその後身につけていく哲学によって人格は成り立っている.
必要な哲学とは「人間として正しいかどうか」
単純な規範
嘘をついてはいけない
人に迷惑をかけてはいけない
正直であれ.
欲張ってはならない.
自分のことばかりを考えてはならない.
これを体現すること.
人生の真理は働くことで体得できる.
人格を練り,魂を磨くのに特別な手段は要らない.一生懸命働くこと.目前の仕事にわき目も振らずに集中すること.そのこと自体が修行.世の「名人」と言われる人たちはみなそのような道をたどっている.
人生・仕事の結果=考え方x熱意x能力
能力は多分に先天的で熱意は後天的なもの.考え方はプラスもあればマイ ナスもある.
「思念が業をつくる」
人生は心に描いたとおりになる
インスピレーションを得るためには燃えるような情熱を傾け,真摯に努力し ていくしかない.
思い描いたものだけが手に入るという法則
事をなそうと思ったら,まずこうありたい,こうあるべきと思うこと.身を 焦がすように,誰よりも強く,そう願うこと.
強烈に思い続けることが大事
願望を成就につなげるには,並みに思ったのではだめ.
現実になる姿が「カラー」で見えているか?
実現へのプロセスを頭の中で真剣に,こうしてああしてと幾度も考え,練り直してみる.やがた最初は夢でしかなかったものが,しだいに現実に近づく.白黒で見えているのは不十分で,カラーで見えるようになる必要がある.
すみずみまでイメージできれば実現できる
あえて合格ラインを高く設定し,思いと現実がぴったりと重なりあうまで,今一歩突き詰めて考えてみる.
細心の計画と準備なくして成功はありえない
新しいことに取り組むとき,構想そのものは大胆すぎるぐらいの「楽観」に基づいて築く.ただし構想を具体的に計画に移す時は打って変わって悲観論に根差し,あらゆるリスクを想定し,慎重かつ細心の注意を払って厳密にプランを練る.計画をいざ実行に移す段になったら再び「楽観」に根差して行う.
才氏は往々にして今日をおろそかにする傾向
なまじ先が見えるので今日一日をじっくり生きることを嫌う.
有意注意
原理原則はシンプルがいい
世の風潮に惑わされず,原理原則を死守できるか?
二つの道があるとき,おのれの利益を離れ,たとえそれが困難に満ちたイバラの道でも「正しい道」を選ぶ.これは長期的に決して損にはならない.
知っているだけではだめ,貫いてこそ意味がある.
現場で汗をかかないと何も身に付かない.
知識に経験が加わってはじめてできるようになる.
外国との交渉は常識よりリーズナブル
心を磨くために必要な6つの精進
1.だれにも負けない努力をする
2.謙虚にして驕らず
3.反省ある日々を送る
4.生きていることに感謝する.
5.善行,利他行に励む.
6.感性的な悩みをしない
欲望,愚痴,怒りの3毒を慎む
他を利するところにビジネスがある
利他に徹すれば物事を見る視野が広がる
人間は何のために生きるのか
それは心を高めること,魂を磨くこと.
人生すべて無常であるが,たった一つ滅びないもの,それは魂である.
「試練」を「機会」として捉えられる人,そういう人こそ限られた人生をほんとうに自分のものとして生きていける.
「才子,才に倒れる」.恵まれた才能を持っていてもそれを生かす指針を持たないと失敗の道を歩む.その指針とは哲学.
人格=性格+哲学
生まれながらに持っている性格とその後身につけていく哲学によって人格は成り立っている.
必要な哲学とは「人間として正しいかどうか」
単純な規範
嘘をついてはいけない
人に迷惑をかけてはいけない
正直であれ.
欲張ってはならない.
自分のことばかりを考えてはならない.
これを体現すること.
人生の真理は働くことで体得できる.
人格を練り,魂を磨くのに特別な手段は要らない.一生懸命働くこと.目前の仕事にわき目も振らずに集中すること.そのこと自体が修行.世の「名人」と言われる人たちはみなそのような道をたどっている.
人生・仕事の結果=考え方x熱意x能力
能力は多分に先天的で熱意は後天的なもの.考え方はプラスもあればマイ ナスもある.
「思念が業をつくる」
人生は心に描いたとおりになる
インスピレーションを得るためには燃えるような情熱を傾け,真摯に努力し ていくしかない.
思い描いたものだけが手に入るという法則
事をなそうと思ったら,まずこうありたい,こうあるべきと思うこと.身を 焦がすように,誰よりも強く,そう願うこと.
強烈に思い続けることが大事
願望を成就につなげるには,並みに思ったのではだめ.
現実になる姿が「カラー」で見えているか?
実現へのプロセスを頭の中で真剣に,こうしてああしてと幾度も考え,練り直してみる.やがた最初は夢でしかなかったものが,しだいに現実に近づく.白黒で見えているのは不十分で,カラーで見えるようになる必要がある.
すみずみまでイメージできれば実現できる
あえて合格ラインを高く設定し,思いと現実がぴったりと重なりあうまで,今一歩突き詰めて考えてみる.
細心の計画と準備なくして成功はありえない
新しいことに取り組むとき,構想そのものは大胆すぎるぐらいの「楽観」に基づいて築く.ただし構想を具体的に計画に移す時は打って変わって悲観論に根差し,あらゆるリスクを想定し,慎重かつ細心の注意を払って厳密にプランを練る.計画をいざ実行に移す段になったら再び「楽観」に根差して行う.
才氏は往々にして今日をおろそかにする傾向
なまじ先が見えるので今日一日をじっくり生きることを嫌う.
有意注意
原理原則はシンプルがいい
世の風潮に惑わされず,原理原則を死守できるか?
二つの道があるとき,おのれの利益を離れ,たとえそれが困難に満ちたイバラの道でも「正しい道」を選ぶ.これは長期的に決して損にはならない.
知っているだけではだめ,貫いてこそ意味がある.
現場で汗をかかないと何も身に付かない.
知識に経験が加わってはじめてできるようになる.
外国との交渉は常識よりリーズナブル
心を磨くために必要な6つの精進
1.だれにも負けない努力をする
2.謙虚にして驕らず
3.反省ある日々を送る
4.生きていることに感謝する.
5.善行,利他行に励む.
6.感性的な悩みをしない
欲望,愚痴,怒りの3毒を慎む
他を利するところにビジネスがある
利他に徹すれば物事を見る視野が広がる
2010年3月1日月曜日
決算書はここだけ読め:前川修満
決算書はここだけ読め:前川修満
決算書は作ろうと思ったら細かいルールがあるので大変だが,読むにはポイントだけ抑えれば簡単という実用書である.「そばを食べるのが好きな人は必ずしもそばの作り方を知らなくてもよい」と著者は例えている.また決算書の話の起点を中世の商人におき,順を追って複雑化していく書式を説明してくれているので分かりやすい.就職活動にも地方の財務分析にも資産投資にも決算書を読み解く力は必要である.是非学生にも勧めよう.
お金の5つの要素
お金の集め方に関するもの
負債:将来返す約束で集めたお金のこと.
資本:会社のオーナーが出資してくれたお金のこと.
収益:会社が稼いで得たお金のこと.
お金の使い方に関するもの
資産:集めたお金のうち,経済的価値を失っていないもの.
費用:集めたお金のうち,経済的価値を失っているもの.
中世のT字フォーム(試算表)
右側に資金をどうやって集めたか(貸方)を記し,左側にその資金をどうやって使ったのか(借方)を示す.貸方と借方の金額は一致する.
現代でも構造は同じ
借方__________貸方
|
| 負債
資産 |____
|
_____| 資本
|____
|
費用 | 収益
__________|____
決算書を読むポイント
負債は小さく,資本や収益が大きいほどいい.
借方は資産が大きく,費用が小さいのがいい.
収益が費用よりも大きいこと.収益が費用より大きいことを黒字という.
決算書
この一年でいくら儲けたのか.
会社の財政状態はどうなっているのか.
決算の時,試算表は上(負債,資本,資産)と下(収益,費用)で切り離される.
上は「貸借対照表」,下は「損益計算書」になる.
損益計算書 (収益と費用の差は「利益」)として記述される
_____ _____ _____
| |
_____| 費用 |
| 収益 → _____| 収益
費用 | 利益 |
_____|_____ _____|_____
貸借対照表 (損益計算書で得た利益が資本に組み込まれる)
__________ ___________
| 負債 | 負債
|____ → |_____
資産 | 資産 |
| 資本 | 資本(+利益)
|____ |
_____| _____|_____
資本金は大きく二つから構成される
株主が会社に払い込んだ「資本および資本剰余金」
利益剰余金
貸借対照表の読み方
資産,負債,資本の大小を比較する.この際負債が小さく,資本が大きい方がよい.
損益計算書の読み方
収益は費用より大きくなくてはいけない
実際の貸借対照表の読み方
細かいところは見ない.
「資産合計」,「負債合計」,「純資産合計」(資本合計)をまず見る.
自己資本比率
資本の合計を資産の合計で割った値
資本(純資産)/資本(純資産)+負債
自己資本比率は40%以上だったら安定,20-40%だったら一般
瑣末な項目は面白半分に
負債は有利子負債の大小を見る.有利子負債は少ないほどいい.
資本金(純資産合計)は利益剰余金の大小を読む.
収益は3種類ある
売上高(その会社の主要な業務で稼いだもの)
営業外収益(その会社の主要な業務以外で稼いだもの,預金の金利など)
特別収益(突発的な収益,たとえばビルの売却など))
費用は5種類ある
営業費用:「売上原価」と「販売費及び一般管理費」から構成される.
営業外費用
特別損失
法人税
利益には5種類ある
売上総利益:売上高-売上原価
営業利益:売上総利益-販売及び一般管理費
経常利益:営業利益+営業外収益-営業外費用
税引前当期純利益:経常利益+特別収益-特別損失
当期純利益:税引前当期純利益-法人税
売上総利益率
売上総利益を売上高で割ったもの(%).粗利益の大きさを示す.
売上高営業利益率
営業利益を売上高で割ったもの(%).普通の企業は1ケタ.
特にここだけ読めばよいのでは
経常利益はトリッキーなので売上高,営業利益,当期純利益を見る.
比較をしないと面白くない
売上高の比較
営業利益の比較
事業年度ごとの比較
決算データの入手方法
EDINET http://info.edinet-fsa.go.jp
決算書は作ろうと思ったら細かいルールがあるので大変だが,読むにはポイントだけ抑えれば簡単という実用書である.「そばを食べるのが好きな人は必ずしもそばの作り方を知らなくてもよい」と著者は例えている.また決算書の話の起点を中世の商人におき,順を追って複雑化していく書式を説明してくれているので分かりやすい.就職活動にも地方の財務分析にも資産投資にも決算書を読み解く力は必要である.是非学生にも勧めよう.
お金の5つの要素
お金の集め方に関するもの
負債:将来返す約束で集めたお金のこと.
資本:会社のオーナーが出資してくれたお金のこと.
収益:会社が稼いで得たお金のこと.
お金の使い方に関するもの
資産:集めたお金のうち,経済的価値を失っていないもの.
費用:集めたお金のうち,経済的価値を失っているもの.
中世のT字フォーム(試算表)
右側に資金をどうやって集めたか(貸方)を記し,左側にその資金をどうやって使ったのか(借方)を示す.貸方と借方の金額は一致する.
現代でも構造は同じ
借方__________貸方
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| 負債
資産 |____
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_____| 資本
|____
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費用 | 収益
__________|____
決算書を読むポイント
負債は小さく,資本や収益が大きいほどいい.
借方は資産が大きく,費用が小さいのがいい.
収益が費用よりも大きいこと.収益が費用より大きいことを黒字という.
決算書
この一年でいくら儲けたのか.
会社の財政状態はどうなっているのか.
決算の時,試算表は上(負債,資本,資産)と下(収益,費用)で切り離される.
上は「貸借対照表」,下は「損益計算書」になる.
損益計算書 (収益と費用の差は「利益」)として記述される
_____ _____ _____
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_____| 費用 |
| 収益 → _____| 収益
費用 | 利益 |
_____|_____ _____|_____
貸借対照表 (損益計算書で得た利益が資本に組み込まれる)
__________ ___________
| 負債 | 負債
|____ → |_____
資産 | 資産 |
| 資本 | 資本(+利益)
|____ |
_____| _____|_____
資本金は大きく二つから構成される
株主が会社に払い込んだ「資本および資本剰余金」
利益剰余金
貸借対照表の読み方
資産,負債,資本の大小を比較する.この際負債が小さく,資本が大きい方がよい.
損益計算書の読み方
収益は費用より大きくなくてはいけない
実際の貸借対照表の読み方
細かいところは見ない.
「資産合計」,「負債合計」,「純資産合計」(資本合計)をまず見る.
自己資本比率
資本の合計を資産の合計で割った値
資本(純資産)/資本(純資産)+負債
自己資本比率は40%以上だったら安定,20-40%だったら一般
瑣末な項目は面白半分に
負債は有利子負債の大小を見る.有利子負債は少ないほどいい.
資本金(純資産合計)は利益剰余金の大小を読む.
収益は3種類ある
売上高(その会社の主要な業務で稼いだもの)
営業外収益(その会社の主要な業務以外で稼いだもの,預金の金利など)
特別収益(突発的な収益,たとえばビルの売却など))
費用は5種類ある
営業費用:「売上原価」と「販売費及び一般管理費」から構成される.
営業外費用
特別損失
法人税
利益には5種類ある
売上総利益:売上高-売上原価
営業利益:売上総利益-販売及び一般管理費
経常利益:営業利益+営業外収益-営業外費用
税引前当期純利益:経常利益+特別収益-特別損失
当期純利益:税引前当期純利益-法人税
売上総利益率
売上総利益を売上高で割ったもの(%).粗利益の大きさを示す.
売上高営業利益率
営業利益を売上高で割ったもの(%).普通の企業は1ケタ.
特にここだけ読めばよいのでは
経常利益はトリッキーなので売上高,営業利益,当期純利益を見る.
比較をしないと面白くない
売上高の比較
営業利益の比較
事業年度ごとの比較
決算データの入手方法
EDINET http://info.edinet-fsa.go.jp
2010年1月9日土曜日
マリス博士の奇想天外な人生:キャリー・マリス
動的平衡の福岡伸一さんの訳本ということで読んでみた。PCRの発明により1993年にノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリス博士の自伝というか随筆である。
キャリー博士は天真爛漫な天才であることを随所に感じさせてくれる。博士と呼ばれる人々は人間的にも尊敬されるべき良識的社会人であることを通常演じようとするが、キャリー博士は人生をEnjoyすること、生命の不思議を探求すること、自分の試論で世界を理解しようとすることに最重要価値を置いている裸の魂である。エイズの原因をHIVとする論を批判し、IPCCの温暖化研究を無駄とこき下ろす。再現検証可能なものこそが科学であるという潔いスタンスに立てば、Big Scienceへのこれらの批判も一つの論として正当であると納得させるものがある。アメリカにはこういう真の自由人を生み出すアカデミズムの土壌がある。そこがうらやましい。天才は勉強ができるのでなく、理解や創造のための勉強を愛するのだということを強く感じた。
キャリー博士は天真爛漫な天才であることを随所に感じさせてくれる。博士と呼ばれる人々は人間的にも尊敬されるべき良識的社会人であることを通常演じようとするが、キャリー博士は人生をEnjoyすること、生命の不思議を探求すること、自分の試論で世界を理解しようとすることに最重要価値を置いている裸の魂である。エイズの原因をHIVとする論を批判し、IPCCの温暖化研究を無駄とこき下ろす。再現検証可能なものこそが科学であるという潔いスタンスに立てば、Big Scienceへのこれらの批判も一つの論として正当であると納得させるものがある。アメリカにはこういう真の自由人を生み出すアカデミズムの土壌がある。そこがうらやましい。天才は勉強ができるのでなく、理解や創造のための勉強を愛するのだということを強く感じた。
2009年12月18日金曜日
日本辺境論:内田 樹
この本は本当に面白かった!読んで夢中になっていて電車を乗り過ごしたぐらいだ.内田氏は武道家らしく,話題の進め方に何とも言えない絶妙な間合いがあり,また自分も含めて俯瞰するような冷静さというかトボケ味がある.論だけでなく,その語り口の絶妙さに感激した.
私は16歳で2年間の海外生活から日本に帰国し,それから日本に対してはある種の違和感を常に感じながら,それを原動力として今も研究に取り組んでいる.「ある種の違和感」とは,「何を目指しているのかわからない(長期的視野を欠く)」国家や地方の姿であり,変わり身の早い人々の責任感の欠如であり,根本的には日本人が「何が正しいか」を考える姿勢を強く持たないことである.そういう自分も歴史について無学であるため,そのような日本人の振舞いの根本的理由をはかりかねていたのだが,本著は大胆にその辺りに対する論を展開しており,腑に落ちるところが多かった.そしてまた,私自身の「日本人的素質」が痛いほど読んでいて分かってしまうという点でも勉強になった.
以下備忘録
「どういうスケールで対象を見るか」という問いは,本来あらゆる知的活動の始点に立てられなければならないはずのものであります.
司馬遼太郎:自分の「可視範囲」を宣言していた.
問題は,先賢が肺腑から搾り出すようにして語った言葉を私たちが十分に内面化することなく,伝統として受け継ぐこともなく,ほとんど忘れ去ってしまって今日に至っているということです.
日本文化論が積層してそのクオリティがしだいに高まってゆくということが起きない.
日本文化というのはどこかに原型や祖形があるわけではなく,「日本文化とは何か?」というエンドレスの問いの形でしか存在しません.・・・・変化の仕方が変化しないというところに意味がある・・・「執拗低音」(丸山眞男).
「きょろきょろして新しいものを外なる世界に求める」態度こそまさしく日本人のふるまいの基本パターンです.
日本社会の基本原理・基本精神は,「理性から出発し,互いに独立した平等の個人」のそれではなく,「全体の中に和を以って存在し,・・・一体性を保つところの大和」であり(川島武宣)
主義主張,利害の異なる他者と遭遇したときの日本人はとりあえず「渾然たる一如一体」のアモルファスな,どろどろしたアマルガムを作ろうとします.
私たちは変化する.しかし変化の仕方は変化しない.・・・・集団としての自己同一性を保持するためにはそういう手だてしかなかったからです.
私たちの国は理念に基づいて作られたものではないからです.私たちには立ち返るべき初期設定がないのです.
他国との比較を通じてしか自国のめざすべき国家像を描けない.
自分より強大なものに対して屈託なく親密かつ無防備になってみようとする傾向は軍国主義者であることと少しも背馳しない.
私たちの時代でも,官僚や政治家や知識人たちの行為はその都度「絶対的価値体」との近接度によって制約されています.「何が正しいのか」を論理的に判断することよりも,「誰と親しくすればいいのか」を見極めることに専ら知的資源が供給されているということです.
ここではないどこか,外部のどこかに,世界の中心たる「絶対的価値体」がある.
「我々日本人の行き方として,自分の意見は意見,議論は議論といたししまして,国策がいやしくも決定せられました以上,われわれはその国策に従って努力するというのが我々に課された従来の習慣であり,また尊重せらるる行き方であります」(小磯国昭)
日本国の本体であるところの「国體」というのは他国に従属しても政体の根本理念が変わっても変わらないものとして観念されていたわけです.
「どこかからか起こって来たもの」が戦争の主因であるというスキームだけは変わることがありません.
「辺境」は「中華」の対概念であります.
私は16歳で2年間の海外生活から日本に帰国し,それから日本に対してはある種の違和感を常に感じながら,それを原動力として今も研究に取り組んでいる.「ある種の違和感」とは,「何を目指しているのかわからない(長期的視野を欠く)」国家や地方の姿であり,変わり身の早い人々の責任感の欠如であり,根本的には日本人が「何が正しいか」を考える姿勢を強く持たないことである.そういう自分も歴史について無学であるため,そのような日本人の振舞いの根本的理由をはかりかねていたのだが,本著は大胆にその辺りに対する論を展開しており,腑に落ちるところが多かった.そしてまた,私自身の「日本人的素質」が痛いほど読んでいて分かってしまうという点でも勉強になった.
以下備忘録
「どういうスケールで対象を見るか」という問いは,本来あらゆる知的活動の始点に立てられなければならないはずのものであります.
司馬遼太郎:自分の「可視範囲」を宣言していた.
問題は,先賢が肺腑から搾り出すようにして語った言葉を私たちが十分に内面化することなく,伝統として受け継ぐこともなく,ほとんど忘れ去ってしまって今日に至っているということです.
日本文化論が積層してそのクオリティがしだいに高まってゆくということが起きない.
日本文化というのはどこかに原型や祖形があるわけではなく,「日本文化とは何か?」というエンドレスの問いの形でしか存在しません.・・・・変化の仕方が変化しないというところに意味がある・・・「執拗低音」(丸山眞男).
「きょろきょろして新しいものを外なる世界に求める」態度こそまさしく日本人のふるまいの基本パターンです.
日本社会の基本原理・基本精神は,「理性から出発し,互いに独立した平等の個人」のそれではなく,「全体の中に和を以って存在し,・・・一体性を保つところの大和」であり(川島武宣)
主義主張,利害の異なる他者と遭遇したときの日本人はとりあえず「渾然たる一如一体」のアモルファスな,どろどろしたアマルガムを作ろうとします.
私たちは変化する.しかし変化の仕方は変化しない.・・・・集団としての自己同一性を保持するためにはそういう手だてしかなかったからです.
私たちの国は理念に基づいて作られたものではないからです.私たちには立ち返るべき初期設定がないのです.
他国との比較を通じてしか自国のめざすべき国家像を描けない.
自分より強大なものに対して屈託なく親密かつ無防備になってみようとする傾向は軍国主義者であることと少しも背馳しない.
私たちの時代でも,官僚や政治家や知識人たちの行為はその都度「絶対的価値体」との近接度によって制約されています.「何が正しいのか」を論理的に判断することよりも,「誰と親しくすればいいのか」を見極めることに専ら知的資源が供給されているということです.
ここではないどこか,外部のどこかに,世界の中心たる「絶対的価値体」がある.
「我々日本人の行き方として,自分の意見は意見,議論は議論といたししまして,国策がいやしくも決定せられました以上,われわれはその国策に従って努力するというのが我々に課された従来の習慣であり,また尊重せらるる行き方であります」(小磯国昭)
日本国の本体であるところの「国體」というのは他国に従属しても政体の根本理念が変わっても変わらないものとして観念されていたわけです.
「どこかからか起こって来たもの」が戦争の主因であるというスキームだけは変わることがありません.
「辺境」は「中華」の対概念であります.
2009年12月5日土曜日
動的平衡:福岡伸一

福岡さんの著書は初めて読んだ.素晴らしいサイエンス・インタープリテーションである.特に気に入ったのは偉大な科学的発見の背後にある数多くの失敗に対しての敬意だ.ご自身の経験も含め,失敗から学ぶことの多さをしっかり説明している.
以下備忘録
ルドルフ・シェーンハイマー:食物に含まれる分子が瞬く間に身体の構成分子になり,又次の瞬間には体外に出て行くことを,安定度同位体マーカーをつけたアミノ酸を研究で明らかにした.細胞を構成する物質は流転する.
記憶は神経の回路である:神経と神経の間にはペプチドが情報伝達に介在している.
体内時計:細胞分裂のタイミングや分派プログラムなどの時間経過はすべてタンパク質の分解と合成のサイクルによってコントロールされている.加齢ととともに新陳代謝は遅くなっていく.物理的時間の進行は一定なので,加齢とともに時間が過ぎるのは早くなる.
錯覚を生むメカニズム:幼児期,神経回路は四方八方に触手をのばして手当たり次第結合を作り出している.その後この回路をは刈り取られていく.よく使われる回路は太く強化され,使われない回路は消滅していく.脳の合目的性.
消化の意味するところ:タンパク質をアミノ酸に分解し,情報を消し去ること.他者の情報と自分の情報の衝突や干渉を避けること.
人間は考える管である:消化管には消化神経回路が発達しており,脳におけるのと同じ神経ペプチドが機能している.
生命活動とはアミノ酸の並べ替え:タンパク質の合成と分解との動的平衡が「生きていること」
ニューロン間の電気伝達の制御に化学物質が関与:グルタミン酸はその一種.
膵臓:トリプシン,アミラーゼ,リパーゼという消化酵素を分泌.食品からの必要摂取タンパク質と同じ60-70gが分泌され,最終的には自己消化する.
自然界はシグモイド・カーブ
太るメカニズム:脂肪細胞は毛細血管から余剰ブドウ糖を受け取り,脂肪に変換して貯蔵する.細胞膜がその量の制御を行なっている.その制御は膵臓での血中ブドウ糖濃度に応じたインシュリン分泌である.脂肪細胞の表面にはインシュリン・レセプターが存在する.
貯蓄時には一過的に血糖値が低下し,身体は同化モード,つまり副交感神経優位の眠い状態にはいる.外敵に襲われると殲滅される.どんなときにも血糖値を高く保ち,常に臨戦モードに身体を維持した集団は遺伝的糖尿病集団である.
食品の価格差には合理的な理由がある.消費期限が近い,保存のために添加剤が使われていて,長期間流通できる,などなど.
ハムやソーセージに入っているソルビン酸には細菌の増殖を防ぐ働きがあり,私たちの腸内細菌も制圧を受けてる.また増殖して戻ることはするが,身体に負荷がかかっている.負荷を与えない状態に比べれば長持ちしない.
食物の分子はそのまま私たちの身体の分子になる.それゆえに,もし食物の中に生物の構成要素以外のものが含まれていたなら,私たちの身体の動的平衡に負荷をかけることになる.
モンサント:除草剤ラウンドアップに耐性を持つ大豆の開発.
ES細胞:まだ効率よく細胞を作れるわけではない.
細胞の分化のきっかけ:各細胞は細胞表面の特殊なタンパク質を介した相互の情報交換によって分化が始まる.
欠落しているのは生命にとっての時間という概念である.タイミングとパーツは時間に沿って組織化され,それぞれの時点で何がどのように起きるかはたった一回の不可逆なものである.
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