2009年12月15日火曜日

Chairperson

会議や学会発表のChairpersonをするのは名誉のあることであるが,格好良くやるのは難しい.会場から収まりのつかない質問が出たときにどう対応するかでChairの資質が問われる.そういう意味で今回ICIDに出てみていろいろなChairのあり方があるので勉強になった.

論理的Chairperson
Agendaをしっかり読み上げ,進行もAgendaに沿って行なう.このような場合,不意の質問が出た場合はどうするか.まじめにAgendaや議事と照らし合わせて答えられることは答え,答えられないことは議事とは主旨が合わない旨を伝える.質問者に対して極めて丁寧な対応である.非常識な質問にもある意味誠意を持ってばか正直に答えることで,非常識を退ける方法である(鏡効果).しかし本当に非常識な人にはこの方法は通じない.

Topdown型Chairperson
インドで初めて見た方法.Chairから各発表者にまず質問を投げかける.会場からも一応質問を受け付ける.その後に各発表者に回答を求める.「答えられることは答え,答えられないことは答えなくていい」との条件つき.時間が極めて限られる場合は非常に有効な手立てであり,外乱に強い.しかしChairがよっぽど「自分は偉い」と信じていない限りできない方法である.勿論こういう手に出たときはChairが責任を持ってSessionの結語をする必要がある.

翻訳型Chairperson
発表や質問についてChairが簡単な感想や解釈を添えて潤滑を良くする方法.これもChairに賢者ぶりが問われるところであり,英語が上手くないと粋なことは言えないので,解釈しているようで却って場を混乱させるかもしれない.Newsで言うならNewsStationタイプ.変な質問が出たときもWitで柔らかくかわす.

国際会議ではしばらく論理的Chairを目指そう.質問する側としては,非ネイティブ系の多い中ではなるべく端的な質問をすべきだと思った.その方がお互い誤解が少ないからだ.沢山しゃべるのは南アジアの人々に任せておこう.

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